2010年9月26日日曜日

世界の果てのビートルズ

最近のお勧め小説。
「世界の果てのビートルズ」(新潮社)
最後まで読んでしまった。
この小説は、
大人になった著者が、
大人になって子ども時代を回想して、
亡くなった友人への友情を告白するというものです。
ほぼ自伝だと言われています。
この構成は、Sキングの「スタンドバイミー」と同じです。
友情と冒険と死。
青春小説の鉄板ストーリーです。

舞台は1960年代のスウェーデン北部。北極圏。
とんでもない田舎で、
スウェーデンとフィンランドの言葉が入り交じり、
人々は共産主義とキリスト教、密造酒、トナカイに蚊の大群にまみれて暮らしています。

物語は主人公マッティが5歳の時から始まります。
友人ニイラと知り合い、成長するストーリー。

前半部分は、超常現象がしばしば登場します。
ここが北極圏の土俗的な雰囲気を醸し出しています。
魔女だったり、ストーブに閉じ込められたりのエピソードは、
非常に幻想的です。

後半音楽に目覚め、マッティとニイラは新しい仲間とともにバンドを始めます。
へたくそだけど、演奏したい。
そんな音楽のもつ衝動がストーリーの背景に流れます。

祖父の誕生日のエピソードと結婚式のエピソードが笑えます。
マッチョな一族の間抜けさ加減が、おおらかな暮らしを体現しているようです。

音楽教師や父親、避暑に来た男など、脇役も個性的で、
北欧の田舎じみた描写と若者の視線が本書を魅力的にしたてています。