久しぶりです。
年度末、なんやかやと忙しく、blogの更新が滞ってしまいました。
サンライズ瀬戸の話にリクエストをいただきましたので、
本日は寝台車の旅について。
夜の11時すぎに東京駅から出発するサンライズ瀬戸に、
何度か乗りました。
出張ですね。
仕事に時間がかかって、岡山までの出張に出発する時間が遅れ,新幹線に乗れないときに乗るのが常でした。
もう10年くらい前の出来事です。
個室寝台車なので、
部屋に一人きり。
個室に乗客は入っていますから、
寝台車はやたらに静かです。
通路に人影は基本的にありません。丁度ホテルの廊下と同じです。
部屋に入るのにカードキー(切符)があるので、
検札もないのです。
だから人気(ひとけ)を感じることが少ない。
部屋に入ると「ごとっ」という音とともに電車が動き出します。
東海道線を走ります。
23時台の駅のホームには通勤の人たちが並んでいます。
その人たちを眺めながら、あるいは観られながら進みます。
だんだん町が暗くなると、小田原、熱海など。
部屋には、
小さいですが、白いぱりっとしたシーツが敷かれたベッド。
後は衣紋掛け、荷物を置く棚、ラジオ。
これくらい。
自分はいつも缶ビールに簡単なつまみを持ち込んで、ゆったりとNHKラジオを聞いておりました。
これが風情があるのです。
静岡県辺りまで来ると12時もすぎ、
町は暗く,通り過ぎる駅も人気がなく、照明も落ちています。
寝台車は時間調整のために、ゆっくり走ります。どこかの駅で停まったりします。
こういう風景に出会うと、思わずほくそ笑んでしまいます。
照明の落ちた無人の駅は普段目にすることなのない非日常の風景。
暗い町並みの中を時々クルマのヘッドライトが横切る。
静かな風景。NHKの男性アナウンサーの落ち着いた声。
アルコールが回って、ぼんやり酔っていく感覚。
こういう静けさ、ゆったりした感覚が、夜行列車の旅の愉しみです。